日本の列強化が安倍政権で行われるということ

北朝鮮の核武装に対して、各国が様々なシグナルを出しています。
日本でも核に対しては核で対抗するしかないという事実を受け止めている側がかつての冷戦時代の緊張感とリスクを思い出し、何とか外交の手詰まりを解消しようとしています。
私は、極右でもないし、天皇礼賛主義者ではないのですが、核に対しては核でしか対抗できないという事実は事実として理解はできるのですが、今の、安倍政権下で核武装が行われるという外交カードが実際に行使されると考えた場合の政治スタンスが直観的には理解しがたい感じを受けます。
日本の核武装論はアメリカ合衆国の旧共産圏の核保有国に対するカードであるわけですが、そのカードの実際的行使が認められた場合、日本は実際に核保有国になってしまうわけです。先進国の核保有国だから当然、常任理事国入りも確定ですし、国連の旧敵国条項の解除も容易ですし、岸信介の血を引く安倍家の責任―恩赦されたとはいえ元戦犯として先の大戦の責任―も完全に消滅するでしょう。
それは、日本の極右勢力の悲願ではあるわけですが、我々一般国民の側にその世界を受け入れる準備は整っているでしょうか?
「戦争を知らない子供たち」とは歌にも歌われていますが、戦後の日本人は圧倒的な権力というものに向き合う必要がありませんでした。しかし、いったん核武装国となれば別です。
日本人も核クラブの市民の一種の苦しさを負う必要がでてきます。
つまり、英国の貴族であり、アメリカのピルグリムファーザーであり、フランスの革命の申し子であり、中国の共産党指導部、そしてロシアのロマノフ王家と旧共産党の遊泳者、を我々日本市民は背負わなければならないわけです。それも、日本の国土において。
要約すると、陰然たる立場の違いというものを受け入れる必要が出てくるということです。
私は戦前の列強であった大日本帝国の時代については詳しくは知りませんが、月給100円のサラリーマンというのを聞いたことがあります。
戦前の超エリートたちが財閥と軍閥の支配の下、僅か100円での生活を強いられていた時代が確かにあったのです。
それを思う時、外交カードであるとしても、我々日本人はその事実を考えてみる必要があるのかもしれません。
しかし、旧戦犯の血を引く安倍首相が本当に核武装を成し遂げてしまったら今まで戦犯だからといって当然の非難を行ってきた側は非常に辛い立場に置かれるような気がします。
私も、ほとんど読まれていない記事を書いていますが、旧戦犯の側から見ると危険思想に見えるようなものを流しているのかなあとも少し感じます。
結局、核と現在のポリティカルゲームは核保有を目指すか、廃絶を目指すかの二極の間の立ち位置を探るものだから、どうしても、その二択が思考に昇らざるを得ないのでしょう。
実際、旧共産国が容認した北朝鮮の核武装に対抗して旧資本主義陣営が拒否を示すために核武装のカードをちらつかせるのは当然なのですが、日本の核武装が行われると、必然的にドイツ、イタリアの核武装も確実に行われて、それらの国が核クラブに参加し常任理事国入りを果たすのは確実です。
そうなると、ナチ、ファシスト党、旧戦犯の全てが政治的に復権することになる、わけですが…。
うーむ、微妙だ。
不可能な感じはひしひしとしますが…。
しかし、日本も、ドイツも、イタリアも一時期の列強で、今でも先進国であるわけですから、どうしても、野心がもたげてしまうのかなあとか思ったりもします。
個人的には米国の原子力研究に大規模投資でも行って、成果をあげて米国の完全な賛意を取り付けてから核兵器の指揮権は米軍に帰属する形に持って行ければ、ひょっとしたらカードではなく実現できる可能性は非常に低くてもあるのではないかなあ…と夢想したりします。
色々書きましたが、一日本国民としてできることは、一億総火の玉となる事態が起こったとしても米国が北朝鮮との対話に決着をつけるまでは核兵器も無駄死にも怖くない!と我慢比べをすることくらいではないか、と思います。
後、結論としては、安倍政権で核武装まで行くと日本国民としては喜ばしいのかもしれませんが、個人としては破滅しそうだから他の首相を選んでやって欲しいな、と感じます。
地には平和、天にはホサナ。
全ては神がなされるようになるように!

生存圏