政治とは君主の能力と政治制度と国民の諸力によって決まるものです。
国家の全てを賭したアーツです。
ではあるのですが、時に天才はその全てを賭したアーツの平均台を大きく傾かせることがあります。
アルキメデスしかり、フーリエ・ラプラス・モンジュしかり、オイラーしかり、ニュートンしかり、ガウスしかり、産業革命期のイギリスの天才たちしかり、普仏戦争から第一次大戦までのドイツの天才たちしかり、合衆国のロスアラモスの天才たちしかり。
特にアルキメデスをローマ兵が捕えていたら歴史は非常に違ったものになったことは疑い有りません。
日本でも、菅原道真の指図する政策変更や、関孝和に続く数学革命の可能性を考えると、歴史というものはつくづく不思議なものだなあと感じます。
ところで実際に科学が政治を動かした実例として現実がifよりも奇なるのは、産業革命、量子力学の誕生、原子爆弾、そしてIT革命でしょう。
これらの科学上のクリティカルな進展は国力の有利を一世代単位で推し進め、世界史を一変させています。
私は熱心な愛国者ではないのですが、日本でこれに類する世界史的転変が起こればなあと思います。
おそらく、そのレベルの発見が無ければいずれ日本は先進国から滑り落ちることでしょうから。
歴史にifは無いですが、ガウス先生があと5年早く電信に取り組んでいたらどうなっていたでしょうか?
ドイツの海底ケーブルの長さは第一次大戦まで世界一だったらしいですし、あるいはドイツは世界で産業上の勝利を収めたかもしれません。
また、ナチスがロスアラモスの天才の数人を残していたらドイツの原爆研究は成功したでしょうか?
そして、その場合、ロケット技術と原子爆弾でドイツは連合国の攻勢を退けたでしょうか?
科学と経済と政治の関係はとても興味深いですね。