オーウェルのディストピアを知っていますか?
動物農場とか、1984年とか、カタロニア賛歌とか。
動物農場は豚のナポレオンを使った共産主義独裁批判で、1984年は、ビッグブラザーを通した、覇権国家同士の情報操作で、カタロニア賛歌はスペイン内戦に参加した作者の眼から見た戦争の惨禍と共産主義への幻滅が描いてあります。
村上春樹も1Q84とか、ノルウェイの森とか、世界の終わりとハードボイルドワンダーランドとか書いてますよね。
これは、比喩を用いた最大限に現実を錯視させるマジックリアリズム文学であるのですが、皆さん春樹文学に時々引き込まれません?
奇妙なリアリティがありますよね。
ところで、私たちの世界で何が正しいのかどうやって判断できるのでしょう。
発展しすぎた科学は魔法と同じだと言いますが、実際、モータリゼーションの仕組みも、コンピューターの仕組みも細部まで説明できる人がそうたくさんいるでしょうか?
理解できる人がおらず、作れもしないものは魔法と同じように神秘的で現実との境目を失ってしまいます。
政治の情報や経済の情報も私たちが理解できず、手の届かない情報があるなら、似たようなものだと思いませんか?
政治判断を間違えれば社会的に死にますし、経済判断を間違えれば蓄えはすぐに無くなります。
具体的には、熱心な自民党員や創価学会員の前で党勢批判をしてしまったり、株式市場や先物市場で技術もないのにクオンツ分析を気取って大損を出してしまったり。
実際、こういう軽ーい政治記事も危ないのかも…、と思ったりもします。
現代、そして次の時代のビッグブラザーが存在するとしたら、村上春樹が描いたように、極めて善良で、圧倒的に多数で、そして徹底的に優秀なのかもしれませんね。