ファイナンス・リース取引に該当するリース取引
5.ファイナンス・リース取引とは、次のいずれも満たすリース取引をいうとしている(リース会計基準第5項)。
(1)リース契約に基づくリース期間の中途において当該契約を解除することができないリース取引又はこれに準ずるリース取引(以下「解約不能のリース取引」という。)
(2)借手が、当該契約に基づき使用する物件(以下「リース物件」という。)からもたらされる経済的利益を実質的に享受することができ、かつ、当該リース物件の使用に伴って生じるコストを実質的に負担することとなるリース取引(以下「フルペイアウトのリース取引」という。)
リース取引がファイナンス・リース取引に該当するかどうかは、これらの事項を十分に考慮して判定する必要がある。
8.ファイナンス・リース取引は、リース契約上の諸条件に照らしてリース物件の所有権が借手に移転すると認められるもの(以下「所有権移転ファイナンス・リース」という。)と、それ以外の取引(以下「所有権移転外ファイナンス・リース取引」という。)に分類するとしている(リース会計基準第8項)。
9.リース取引がファイナンス・リース取引に該当するかどうかについては、第5項の要件を満たす必要があり、その経済的実質に基づいて判断すべきものであるが、次の(1)又は(2)のいずれかに該当する場合には、ファイナンス・リース取引と判定される。
(1)現在価値基準
解約不能のリース期間中のリース料総額の現在価値が、当該リース物件を借手が現金で購入するものと仮定した場合の合理的見積金額(以下「見積現金購入価額」という。)の概ね90パーセント以上であること(以下「現在価値基準」という。)
(2)経済的耐用年数基準
解約不能のリース期間が、当該リース物件の経済的耐用年数の概ね75パーセント以上であること(ただし、リース物件の特性、経済的耐用年数の長さ、リース物件の中古市場の存在等を勘案すると、上記(1)の判定結果が90パーセントを大きく下回ることが明らかな場合を除く。)(以下「経済的耐用年数基準」という。)
所有権移転外ファイナンス・リース取引に係る借手の会計処理
21.ファイナンス・リース取引については、通常の売買取引に係る方法に準じて会計処理を行うとされている(リース会計基準第9項)。借手の行ったリース取引が所有権移転外ファイナンス・リース取引と判定された場合には、リース取引開始日に、リース物件とこれに係る債務を、リース資産及びリース債務として計上し、第22項から第33項の方法に従い会計処理する。
(リース資産及びリース債務の計上価額)
22.リース物件とこれに係る債務をリース資産及びリース債務として計上する場合の価額は、次のとおりとする。
(1)借手において当該リース物件の貸手の購入価額等が明らかな場合は、リース料総額(残価保証がある場合は、残価保証額を含む。)を第17項に示した割引率で割り引いた現在価値と貸手の購入価額等とのいずれか低い価額による。
(2)貸手の購入価額等が明らかでない場合は、(1)に掲げる現在価値と見積現金購入価額とのいずれか低い額による。
所有権移転ファイナンス・リース取引に係る借手の会計処理
36.ファイナンス・リース取引については、通常の売買取引に係る方法に準じて会計処理を行うとされている(リース会計基準第9項)。借手の行ったリース取引が所有権移転外ファイナンス・リース取引と判定された場合には、リース取引開始日に、リース物件とこれに係る債務を、リース資産及びリース債務として計上し、第37項から第44項の方法に従い会計処理する。
(リース資産及びリース債務の計上価額)
37.リース物件とこれに係る債務をリース資産及びリース債務として計上する場合の価額は、次のとおりとする。
(1)借手において当該リース物件の貸手の購入価額等が明らかな場合は、当該化額による。
(2)貸手の購入価額等が明らかでない場合には、第22項(2)と同様とする。なお、割安購入選択権がある場合には、第22項(1)のリース料総額にその行使価額を含める。